2018年10月1日月曜日

阿漕(アコギ)あるいは藻に住む虫


なんてアコギなやつなんでしょう!....
って決して褒めてはいません。
むしろ同じ空気を吸いたくないくらい嫌いと言う感じ。

意味を探るに...アコースティックギターが出て来たからプチびっくり^_^
平仮名だと「無慈悲なまでに強欲」
カネさえあれば何でも買えると嘯く連中のことです。

しかし、語源的にはそこまで酷くはない。
病身の老母を養うため伊勢神宮の禁漁区で度々密漁をやり、
可哀想に、簀巻きにされ魚の餌になった若者の故事に因む。
むしろ酷いのは、リンチにかけた漁民たち
多分老母も困窮の中で餓死したに違いない。

謡曲「阿漕」はこのエピソードをモチーフとする。
成仏出来ない霊魂は旅の僧の回向で救われるのが普通ですが、
この若者は、簡単には成仏出来ない雰囲気で曲は終わります。


過日の能楽堂でこの能を堪能しているさなか
ある詞章が耳に止まり、ルル調べるに...

海人の刈る 藻にすむ虫の 我からと
ねをこそなかめ 世をばうらみじ (古今集 藤原直子)

あの季語の原典はこれみたいだ。
作者はよく知りませんが、なおいこ と読むらしい。
今時のキラキラネームの知的水準じゃ無理だなあ^_^
さておき...

和歌の趣旨は...悪いのはアタシ。だから世間は恨まない。
哀しいですねえ。
簀巻きにした連中に天罰を!
残虐な刑罰を禁止した現行憲法にも違反ですよ


夏井のいっちゃんによれば、藻に住む虫のわれから って秋の季語らしい。
想像を絶する絶滅種季語だ
しかし、なぜ季語なのかは説明がない。
これは季語として認めるとか認めないっ派閥すらあるらしい。
ということは、季語勝手認定組織があるのだ。

こんな面倒な質問をするから、アタシは俳句の師匠から嫌われる^_^
面倒な世界だ。

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