2019年1月31日木曜日
天才ピアニストの夫
二流女子大の若い教員は、才能のある教え子と不倫の果て
作家を目指してNYへ。
彼の書いた作品は着想こそ見るべきものがあるが、
それ以外は駄作以外の何者でもない。
見かねた若い妻は夫の作品を改稿し...傑作に化けた!
神童としかいいようのない美形ピアニスト
彼女に惚れたのは彗星のように登場した若き芥川賞作家だが、
最初から批評家が懸念した通り時分の花でしかなかった。
ピアニストは世界を股に活躍し、このあたりは家系もあってか
ピアノ界のフィクサーめいた活動が多くなる。
二人三脚の執筆活動が、作家と主夫の組み合わせになるのに
時間はかからない。
世界的な作家の名声を得た夫は、ノーベル文学賞作家の
地位にのぼりつめるが、ゴーストライターの女は
天才作家の糟糠之妻でしかなく、屈曲した精神によどむ
さざなみは授賞式の夜、爆発する。
ピアニストは肉体労働者である。
フィジカルトレーニングの懈怠からか、演奏に冴えがなくなり、
苛酷なまでにピアノを痛め付ける調律でのゴマカシ演奏が
増えてきた(らしい)
この頃からかエッセイストとしての評価が高くなるが、
投資とゴルフ三昧でペンをとらなくなった旦那の
代筆のウワサ...
しかし、これはたぶん違う。
批評程度はやったかも知れないが、
ゴーストライターまでの才能があるとは思えない
天才(作家)の妻は、諍いの果てに離婚を口走り
全てを暴露しかねない勢い
お互いに罵詈雑言の応酬...突然の心臓発作で作家は頓死
夫婦の秘密は守られて、墓場まで持っていくことになる...
なんか肩透かしな展開でしたなあ。
紘子さんが逝去され、はや三年になろうと...
遺作アルバムは販売されましたが、晩年の演奏はねえ
遺作のエッセイ集は発売されてます。
雑誌連載をまとめたものですが、
知らずに読んでますと
なんとなしに棺桶に片足突っ込んだ雰囲気が満載でして
そういうことか
紘子の白鳥のうた
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿